ジャワマメジカ(カンチル)…森の妖精と呼ばれる小さな鹿。インドネシア、マレーシアで「カンチル伝説」(弱い存在のカンチルが、知恵を使って強い動物をやっつける物語)が多く残る[1121up]
動物別
インドクジャク
ヒンドゥー教では、孔雀はスカンダという神の乗り物であり、インドの国鳥ともなっている。
牛
ヒンドゥー教において、最も聖なる動物とされているのは牛です。特にインド瘤牛。
オスはシヴァ神の乗り物(ナンディという名前)として崇拝され、メスはクリシュナ神(人気の神様、牛飼いとして育った)と深く結びついています。メスは特に豊穣(穀物の実りが豊かなこと)の象徴とされる存在で、乳だけでなく、糞尿も肥料として重宝され、宗教儀礼でも重要な役目を持ちます。乾燥させた牛のふんも、ガスがない村では燃料として欠かせません。また、乳製品は、大切な栄養源です。牛をはじめとする家畜の世話は、村の子どもたちが任せられている大事な仕事です。
水牛
ヒンドゥー教において、水牛(पानी भैंस、水バッファローの意)は異なる種類の動物で魔神マヒシャの化身、魔神ヤマの乗り物である。
猿
ハヌマーン(हनुमान् Hanumān)は、インド神話における神猿。今でも民間信仰の対象として人気が高く、インドの人里に広く見られるサルの一種、ハヌマンラングールはこのハヌマーン神の眷属とされてヒンドゥー教寺院において手厚く保護されている。中国に伝わり、『西遊記』の登場人物である斉天大聖孫悟空のモデルになったとの説もある
犬
・送り犬(日本)…夜中に山道を歩くと後ろからぴたりとついてくる犬が送り犬である。もし何かの拍子で転んでしまうとたちまち食い殺されてしまうが、転んでも「どっこいしょ」と座ったように見せかけたり、「しんどいわ」とため息交じりに座り、転んだのではなく少し休憩をとる振りをすれば襲いかかってこない。
・禍斗/かと(中国)…禍斗の至ると所では火災が発生するとされ、古代においては火災をもたらす不吉な象徴とされた。また一説では炎を食べ、火を帯びた糞を排出するとも言われる。その名は「火を食う獣」を意味する。
・盤瓠(中国)…中国の伝説上の犬。昔、高辛氏が犬戎に攻められたとき、帝は犬戎の将、呉将軍を打ち破ったものに賞金と娘をめあわせるというお触れを出した。すると、五彩の毛をもつ槃瓠という犬が、呉将軍の首を噛み切って戻ってきた。帝は犬に人をめあわすわけにはいかないと考えたが、娘自身は、帝の言葉に嘘があってはいけないと、自ら槃瓠に嫁ぐことにした。両者は南山にはいり、娘は3年間に6男6女を生んだ。帝は子供たちを呼びよせたが、かれらは人間生活になじまず、山の中で暮らしていた。かれらの子孫が蛮夷の祖となったという。
滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』にも、犬の八房と伏姫の同じような物語がある。
・狛犬(日本)…起源はペルシャ、インドにおけるライオン(獅子)を象った像である。また、古代エジプトやメソポタミアでの神域を守るライオンの像もその源流とされる。
うさぎ
・「月には兎がいる」という伝承はアジア各地で古くから言い伝えられている。
・中国では不老不死の薬の材料を手杵で打って粉にしているとされ、日本では餅をついている姿とされている。
・古代インドの言語サンスクリットではシャシン(śaśin、「兎をもつもの」)、シャシャーンカ(śaśāṅka、「兎の印をもつもの」)などの語が月の別名として使われる。
・ミャンマーの仏教絵画の中にも日のなかには孔雀、月のなかは兎が描かれている。
・タイでも月には兎が住んでいるという伝承があり、絵画などにも見られる。
・いなばの白兎
・中国では同性愛の神として、兎児神がいる
中国
四神(麒麟を入れると五神)
青龍(東、春、青)
「青」の原義は青山(せいざん)・青林(せいりん)のように緑色植物の色であり、本来は緑色を指しているとされる。東方を守護する。長い舌を出した竜の形とされる
朱雀(南、夏、赤)
朱雀は南方を守護する神獣とされる。同じく中国古代の想像上の鳥である鳳凰とは異なるが、同一起源とする説もあり、同一視されることもある。 あくまで神格のある鳥であり、信仰の対象ではあるがいわゆる悪魔や唯一神、列神の類ではないことが最大の特徴である。
白虎(西、秋、白)
西方を守護する神獣。細長い体をした白い虎の形をしている。また、四神の中では最も高齢の存在であるとも言われている。(逆に、最も若いという説もある)。
玄武(北、冬、黒)
玄武は、北方を守護する、水神。玄は黒を意味し、黒は五行説では北方の色とされ水を表す。脚の長い亀に蛇が巻き付いた形で描かれることが多い。
古代中国において、亀は「長寿と不死」の象徴、蛇は「生殖と繁殖」の象徴で、後漢末の魏伯陽は「周易参同契」で、玄武の亀と蛇の合わさった姿を、「玄武は亀蛇、共に寄り添い、もって牡牝となし、後につがいとなる」と、陰陽が合わさる様子に例えている。
麒麟(中央、土用、黄色)
四神が東西南北の守護獣なのに対し、中央を守るとされる。獣類の長とされ、鳥類の長たる鳳凰と比せられ、しばしば対に扱われる。
普段の性質は非常に穏やかで優しく、足元の虫や植物を踏むことさえ恐れるほど殺生を嫌う。神聖な幻の動物と考えられており、動物を捕らえるための罠にかけることはできない。麒麟を傷つけたり、死骸に出くわしたりするのは、不吉なこととされる。
四霊を含む瑞獣
鳳凰(四霊)wiki
徳の高い王者による平安な治世か、優れた知性を持つ人が生まれると姿を現す五色の霊鳥。
鳳凰は、霊泉(醴泉〈れいせん〉、甘い泉の水)だけを飲み、60-120年に一度だけ実を結ぶという竹の実のみを食物とし、梧桐の木にしか止まらないという。鳳凰の卵は不老長寿の霊薬であるとされる。
麒麟(四霊)wiki
仁の心を持つ君主が生まれると姿を現す一角の霊獣。角は肉に包まれ、いかなる生命をも傷つけない。麒麟から諸獣が生まれたとする。四霊の一種とされるが、中央を守る四神の長である黄龍と同一視されることや、黄龍のかわりに四神の長として扱われることがある。
霊亀(四霊)wiki
治水の才を持つ人(帝王)が生まれると姿を現す亀。甲羅に水脈が刻まれており治水を助ける。蛇と対で描かれ、水神の象徴。
東洋の神話等においては、亀は千年以上生きると強大な霊力を発揮し、未来の吉凶を予知出来たのではないかと言われており、霊亀もまた千年以上を生きた亀が強大な霊力を得た事で変異・巨大化したのではないかと言われている。
竜(四霊/応竜)wiki
角は鹿、頭は駱駝、眼は兎、胴体は蛇、腹は蜃、背中の鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛に似ていて、口辺に長髯をたくわえ、喉下には一尺四方の逆鱗があり、顎下に宝珠を持つと言われる神獣・霊獣。中国では皇帝のシンボルとして扱われた。
龍と水の関係の起源はインドのナーガに遡り、仏教を介して中国に伝わり龍と習合した。
鸞(らん)wiki
平安な治世に姿をあらわす鳳凰とよく似た姿の青色っぽい羽を持つ霊鳥。「鸞」は雄の名であり、雌は「和」と呼ぶのが正しいとされる。鳳凰が歳を経ると鸞になるとも、君主が折り目正しいときに現れるともいい、その血液は粘りがあるために膠として弓や琴の弦の接着に最適とある。
獬豸(かいち)wiki
優れた裁判官が生まれると姿を現す一角の羊。人の善悪を理解し悪人を角で突く。
姿は大きいものは牛、小さいものはヒツジに似ているとされる。全身には濃くて黒い体毛が覆う。頭の真ん中には長い一角を持つことから一角獣とも呼ばれ、この角を折った者は死ぬと言われる。麒麟に似ている。水辺に住むのを好む。人の紛争が起きると、角を使って理が通っていない一方を突き倒す(その後突き倒した人を食べるという伝説もある)。次第にカイチはより正義感のある性格付けがなされてゆき、正義や公正を象徴する祥獣(瑞獣の一種)となった。
九尾の狐 wiki
漢王室の守り神とされた霊獣。ただし徳のない君主の場合、革命を促すので凶獣でもある。九尾の狐はその姿が確認されることが泰平の世や明君のいる代を示す瑞獣とされる。
物語のなかでは殷の妲己や日本の玉藻前のように美女に変化して人々の世を惑わす悪しき存在の正体であるともされ、よく知られている。
アジア全域
龍の物語は、古くから人々に知られているものです。最近では、ディズニーが映画『ラーヤと龍の王国』を公開したくらいです。様々な文化において、ドラゴンはしばしば獰猛さの象徴とされるが、同時に美徳の象徴でもある。文学作品やおとぎ話、信仰などでは、何世代にもわたってドラゴンの物語が語られてきた。それだけでなく、龍は装飾品としても使われ、建築物や儀式や日常生活を彩るオブジェにもなっている。
ナーガとはサンスクリット語に由来し、水中や地下世界に棲む蛇、龍、蛇のような生き物を意味する。龍は人間の顔に蛇のような体の部分があると考えられている。女龍の場合は、ナギニという。英語でドラゴンをdragonというが、これはラテン語のdraconemに由来し、大きな蛇を意味する。
別の文化、そして別のドラゴンの描写。ヨーロッパでは、ドラゴンは悪魔(デーモン)に関連する獣の象徴であり、しばしば人間を恐怖に陥れる。それを征服するのは、選ばれた騎士たちだけです。アジアでは一般的に、龍は強さ、幸運、力、豊穣の象徴とされています。中国文化では、龍は蛇の体を持ち、魚の鱗、鷲のような爪、鹿の角、麒麟の頭などと表現される。
インドネシア、特にジャワ島とバリ島では、龍は祝福と豊穣の象徴とされています。龍の形は、インド文化の影響を受けていると考えられています。古代の建築装飾や出土品を見ると、龍は一般に大きな蛇のような姿で、頭の上に王冠を載せている。国立博物館が所蔵する龍の置物をご紹介します。
日本
イノシシ…山の神。ヤマトタケルは伊吹山の神の化身である巨大な白いイノシシの怒りに触れて瀕死の状態になる。
狐…稲荷(稲の豊穣の神、ウカノミタマ)、野狐(人間を化かしたりする狐、神格を持たない狐)
鹿…春日大社の鹿(タケミカヅチノミコトが乗ってきた神の使い)
鳩…八幡宮の鳩(八幡大神により、霊鳩が遣わされ、鎮守府将軍・頼義を勝利に導いた)
カラス…八咫烏(日本神話において、神武天皇を大和の橿原まで案内したとされており、導きの神として信仰されている。また、太陽の化身ともされる。3本の足。)
インドネシア、フローレス島
フォスターの法則…簡単にいうと「大陸から離れた島に生息する生物は、大陸のものと比べて小さくなる、もしくは大きくなる方向に進化する」という内容の法則です。 島で見られる生き物に特有の現象であるため、島嶼化(とうしょか、Island Rule)ともいわれます。
ホモ・フローレシエンス(フローレス原人、ホビット)…インドネシアのフローレス島で発見された、小型のヒト属と広く考えられている絶滅種。身長は1mあまりで、それに比例して脳も小さいが、火や精巧な石器を使っていたと考えられる。そのサイズからホビット(トールキンの作品中の小人)という愛称が付けられている。
コモドオオトカゲ…絶滅危惧種。頭胴長70 – 130センチメートル。最大体重166キログラム。
フローレスジャイアントネズミ…一般的なドブネズミの2倍の大きさである。
巨大コウノトリ…絶滅種。高さが成鳥で1.8mほどとかなり巨大であり、2010年の発見当時はモアやドードーのような「島で特殊化した飛べない鳥だろう」と推測されていた。それが、新しく見つかった骨の分析によって、翼に退化の兆候が見られないこと、十分な飛行能力を有していたと思われることから、「上昇気流などを利用すれば飛べた可能性が高い」と結論付けられた。
ランダとバロン…ランダはバリ・ヒンドゥーの悪の側面を象徴しており、反対に善を象徴する神獣バロン(獅子)と対を成す(バロンの別名バナスパティ・ラジャ(森の王))。[1121up]
見た目が特徴的な動物
インドオオリス…頭から尻尾の先までで1メートルもあり体重は3キログラムを超え、世界最大のリスである。特に逸話ないが、尻尾が特徴的なので共有。[1121up]
スナネコ…西アジアに生息。「砂漠の天使」とも言われている。岩砂漠や礫砂漠・砂砂漠・砂丘などに生息するが、基底が砂よりも目の細かい粘土質からなる砂漠を好む。一方で移動砂丘により植生のない環境や、谷などで低木林や藪地を形成するような環境は避ける。
カラカル…アフリカ、中東、中央アジア、パキスタンとインド北西部の乾燥地帯に生息する中型の野生の猫です。空中で鳥を狩る。20世紀にはいるまで、インドの支配者が小さな獲物を狩るのに使用していた。(それ以上大きいものはチーター。)チーターとカラカルは、ラージャスターン(インド)の王族が散歩用に飼っています。c. 1890年。また、絵画やブロンズの置物として見られるように、古代エジプトの文化において宗教的に重要であったようです。彫刻はファラオの墓を守っていたと考えられています。防腐処理されたカラカルも発見されている。[1121up]
ガンジスカワイルカ…ガンジス川だけでなく、インド、バングラデシュ、ネパール、ブータンを流れるブラマプトラ川、Meghna川、Karnaphuli川、Sangu川に棲息する。絶滅危惧種。2mくらいの小さめのカワイルカ。特に逸話はない。[1121up]