ナッ信仰の聖地「タウン・カラッ寺院」
バガンの南東約50㎞に位置するポッパ山は、ミャンマー古来の民間信仰であるナッ神信仰の総本山。切り立った岩峰の頂上に黄金のパゴダが輝く奇景の聖地には、ミャンマー独特の不思議な宗教世界が広がっています。
ポッパ山の南西側の麓には「タウン・カラッ」と呼ばれる切り立った岩頸(がんけい)がそびえ、その頂には黄金の仏塔が輝いています。この奇観の地は大僧正ボーミンガウンが瞑想修行をした仏教の聖地であると同時に、バガン朝以前からの土着信仰であるナッ神信仰の聖地として敬われてきました。
ナッ神とは
ミャンマー土着の精霊信仰であるナッ神は、おもに非業の死を遂げた人の魂が現世に留まったものとされており、時代や地域ごとに数多くのナッ神が生まれ、その伝説が語り継がれてきました。ナッ神は強い霊力で人や国に災いや恩恵をもたらす神で、家を守るナッ、交通安全のナッなど、それぞれ異なる霊力を有するとされています。